ふたつの唇





「将太とシたの?」


場が静まり中田はあたしを真っ直ぐ睨み付けた。


「うん」

あたしはごく自然に答えた。


「調子に乗らないで。私の将太、どんな手を使ったのかは知らないけど、あんたみたいな汚い女が近付いていい男じゃないの。」


こいつ、頭おかしいのか。


「あたしの将太で、あたしだけの将太なの。あたしとするのが一番いいんだって言ってくれたの。」

あたしは校舎の時計をみて、もうすぐ部活の終わる時間になってしまうことに気が付いた。

「あんたなんて、遊ばれたのよ」

「帰る」

あたしは時間の無駄を避けるために踵を返した。

「待ちなさいよ!」






──しつこい。