ふたつの唇





「なあ!」



中田じゃない女が、あたしの胸ぐらを掴む。

同時に、あたしはその女の鼻をつまんで顔をぎりぎりまで近付けた。


「この香水、おばさん」


そう言うと、その女は胸ぐらを乱暴に離してなんだか汚い言葉をわめいていた。

醜いな。