ふたつの唇









──百合ちゃん、



あたしは秋元秦が屋上を去るときに言った言葉を思い出した。


深く、深呼吸をした。






──俺とシない?





先程からする頭痛を払うように、頭をふった。



あたしは吸い込んだ息をのみ込んで、屋上の扉を閉めた。