ふたつの唇






「かったるいな」

あたしは重い上半身を起こして、ありったけの不機嫌な声で吐き捨てた。


「返して下さい」

「やだって言ったら?」


お前の頭蹴り飛ばしてやるよ。


「愁、やめとけ。」


低い声が響いた。