ふたつの唇





「放課後、倉庫に呼んどいて」

「わかりました」


絶対、百合は行かないだろう。私は最後まで笑顔で中田先輩の相手をした。

先輩が消えた後の教室は、百合の有らぬ噂話ばかりだ。


「圷さん、また寝取ったの?」

「ありえない。」

「中田先輩と潰しあってくれたら面白いのに」


私は扉の前にいたまま、背中でそれを聞く。