ふたつの唇





「わからないです」

「そんなことないでしょ」

「本当ですよ」


私は困りながら笑顔を変えない。面倒はごめんなんだ。

いつもより中田先輩が強く出ないのは、相手が私だからだろう。

冷静な地元の高校生なら、百合にも私にも悪いように関わろうとはしないのに。


盲目的な愛は馬鹿みたいだ。