-優奈-

ガチャ

玄関のドアが開く音で目が覚める。
時計を見る。

あぁもうお昼近いなぁ。そろそろ起きよう。
まだ眠たい目をこすりながら、リビングへとつながる階段を降りる。

今日は月曜日。
学校は行かない。
行きたくない。
行く意味がない。

私は、世間一般で言う、“不登校”ってヤツだ。
原因はいじめ。
でももういい。学校なんか行かないから。

私には必要ないんだ。


・・・学校側はそうじゃないみたいだけど。
ファックスからは、学校からの手紙が次々にはきだされている。
内容は決まっている。学校に来い、ってやつ。
私は天才児だ。

小さい頃から、英才教育を受けて受けて受けまくった結果だ。
父は医者。母は弁護士。
私にも、そういう道を進んでほしかったみたい。
今は完全に失望してるけど。
両親と顔を合わせればケンカばっかり。
私の頭脳だけを、学校は必要としていて、連れ戻すのに必死みたい。