また明日 -君と僕の約束-

道端でクレープを買って、2人で歩く。

「優奈、今楽しい?」

ふいに春斗に聞かれる。

可愛げのない言葉がでかかるけど、私はそれを抑える。

「・・楽しいよ。・・今までの誕生日で、一番楽しい!」

「よかった。」

本当に嬉しそうに笑う春斗。
だって、本当に楽しいから。

今まで、誕生日なんて、楽しくもなんともなかった。

1人か、学校で、誰にも祝ってもらえないか。
親さえも、「1つ大人になったんだから、しっかりしなさい!」って怒るし。
最近はそれさえも言わなくなったから、誕生日だってこと自体、忘れてたりして。

多分春斗は、私のためにたくさん、私のことを知る人を探してくれて、その人からきっといろいろ聞いて、楽しませてこれようとしたんだと思う。

「あのね、1つ聞いていい?」

私は春斗に尋ねる。

「春斗は、どうして、退学をそんなに嫌がるの?」

「俺は・・っ。」

「あ、ごめん。言いたくないなら、いいんだけど。」

「・・いや、聞いて?」

「わかった。聞かせて。」

「あのさ、俺、3年前に病気で母親亡くしてんの。でね、しんどいはずなのに、毎朝、いってらっしゃいのあいさつは必ずしてくれんの。
あと、俺が問題起こして、退学!ってなったとき、母さん、無理して出てきて、必死になって頭下げんの。
俺は別に退学でもいいけど、ってそん時思ったけど、病気の母さんが、一生懸命、俺を守ってくれてさ。俺の退学はなし。んでその後、『なんでそこまですんの?』って聞いたら、『春斗が学校言ってんの見たら元気でるから。』って。『だから、退学になんて絶対なっちゃいけないよ。』って言われてさ。次の日母さん死んじゃって。
・・だから、学校行ってたら、きっと母さん喜ぶし、退学になったら悲しむだろうし、怒ると思う。だから、退学にはなりたくないんだ。」

「そ・・うなんだ・・・。」

「そ。まぁ、なら問題起こすなよ、って話なんだけどな。」

何て言ったらいいかわかんなかった。

だって、春斗には、春斗でちゃんと理由があって、ただお気楽に生きてるだけじゃないんだって思ったから。