「聞いてるんでしょ?大樹。盗み聞き技術は素晴らしいものね」


え!?聞かれてたの!?


「つい………。」


「莉依紗さんを大切にしなかったら承知しないわよ!私の親友たちの子なのよ。」


それってどういうこと……?


「………実はね、あなたのこと昔から知っていたのよ。

山岸家が写真入り年賀状をやめるまで………小学校の低学年かしらね?写真で見てたから。

大樹が初めてここにあなたを案内した時、どこかで見たことあるかもくらいしか気づかなかったけど。」


ーガラ


「なな!どうして………早く呼ばなかったのよ!!」


お、お母さん………??


「そうだぞ………奈々子。」


お父さんも………。


「莉依紗さんがびっくりしているわ。ねえ?誠ちゃん?」


「いたのかよ、親父……。」


「お前らが入って来る前からな………。雪穂、辰彦久しぶりだな。高校の同窓会以来か。」


「莉依紗、私たちは高校………あなたの行ってた春日高校のOB、OGなのよ。」


「莉依紗さん。初めまして。愚息がお世話になっております。」


「親父愚息はねえだろ………。」


病室は笑いで包まれていた。