「記憶はほとんど思い出されたのですが、恵梨香様だけは覚えていらっしゃらないようです。

なので恵梨香様の話は決してしないでください。詳しい話はこの書類にしたためましたので読んでおいてください。」


その書類には学園で起こったことが詳しく書かれていた。


「こんなことって………。」


恵梨香と莉依紗って小学校の頃は仲よかったはずなのに………


「そういえば……。」


「何か知っていることがございますか、渚様。」


「いえ………小学生の頃の話です。いつも友香里と一緒に帰っていたのですがたまたま友香里が風邪で休んでいた時があったんです。

その時に恵梨香と金持ちだって噂の女の子たちと話していた話を思わぬ偶然で聞いてしまったんです。

『あんな貧乏な家の子と付き合うにはいい加減やめたら?』『そうしたいけど親があの子とのつながりは切ってもいいって言うまで切らないで言ってるの』って………。」


「何があったの、あの2人に。」


「とりあえず、この学校にはお嬢様の状態が落ち着くまで通うつもりです。お嬢様のことをどうか一緒に守っていただけますか?」


そんなこと言われなくても………