「友香里様、渚様。これから話すことは山岸家の機密事項です。

お二人はお嬢様のご友人で親交も深いとお見受けしましたのでお話しさせていただきます。」


そんなこと話していいの!?


思わず渚と目を見合わせた。


「あの……私と友香里のことは様づけしなくても………。」


いや、渚、聞くのはそこなの!?


「しかしお嬢様のご友人です。大丈夫ですよ、教室ではさん付けいたしますから。」


「呼び捨てで構いませんよ。その方が莉依紗も気を使わないと思います。あの子はそういうの敏感だから。」


そう、莉依紗は優しすぎてそういうところがある。


渚ももちろん気づいていたんだね。


「分かりました。ではお嬢様が起きてしまう前に手短にお話しいたします。

お嬢様は現在警視総監のお孫様でいらっしゃいます。」


「「えーーーーー!?」」


いきなりそんな機密事項を………


「しかしお嬢様自身も伝えられたのはごくごく最近です。狙われやすい存在ですのでひた隠ししていたんです。

ところが裃で、恵梨香様を中心にいじめにあってから記憶を無くされて………。」


納得。


それで気を失っちゃったんだ………。