「………分かったわ。どんな結果になろうと受け止めてみるから。この後にでも行ってくるわ。」


靄が晴れたようなすっきりとした笑顔だった。


「それと………私のことはお姉様ってまだ呼んでくれているのね………。」


「………お姉様はお姉様です。養子登録したなら尚更ですよ。」


「………私はあなたと友達、になりたい。」


友達なんかいらないって言っていたのに………


「理穂から聞いて羨ましくなったの。………あなたなら信頼出来るから………。」


私はソファーから立ってギュッとお姉様を抱きしめた。


「お姉様、私はお姉様の味方であり友達ですよ。これからは姉でもあって………。だから心配しないでよ、お姉様。

お姉様は本当はいい人だって分かっているから。」


「そうよ、真理亜様。Gランクの称号を手に入れたのに1度も使ったことがない。

むしろ使っていたのは虎の威を借りていた夏海たちの方だったんだから。真理亜様がいじめの主犯ではないことは分かっているわ。」


夏菜の言葉にみんなが賛同した。


「ありがとう………。」


また、拍手が湧いた。


みんな微笑みあってお姉様を見つめていた。


「お姉様、もう誰もあなたを縛らないから。自由に羽ばたいてね。」


「…………ユリに言われたら出来そうだわ。」


鼻をくっつけ合って笑った私たちはもう壁はないように感じた。






「………真理亜、いい加減に離れろ。」


後ろからかなり不機嫌な声が聞こえた。