-葵side-


彼女に触りながらようやく現実を見ることができた。


腕の中で血だらけになって倒れていたあのトラウマが残っていたから。


莉依紗様も大樹様になんとか落ち着かせてもらったって言ってたし。






起きてくれてよかった。


髪のいじられる感覚を覚えながら目をさますとユリが起きて笑っていて。


現実だと確認するために彼女に触りまくってしまったけど。


「本当に目が離せないんだから………。」


腕の中で幸せそうに眠るユリに笑みが浮かぶ。


「………葵………キスして………。」


「寝言かよ………。」


顔を真っ赤にして少し額に汗を掻いている。


脱がした服は腰まで落ちていた。


直に当たっているのを見ないようにしていたけど………


………ちょっとくらい触っても起きないよな。


サラサラの肌をなぞってみた。


「………はぁ………っ………。」


………夢までエロい声を出すなよ………


俺にしがみついた腕にせいで上まで服を着せられない。


………きつい拷問だな………





寝かそうとすれば俺にくっついて離れなかった。


………しょうがない


俺はユリに抱きしめられていて昨日とは違う意味で寝ることが出来なかった。


-葵side end-