「ユリ、本当にけがはないのね?」


勝者決定した理央に車椅子を押してもらって真理亜様がやってきた。


葵と夏菜も遠慮がちにやってくる。


「ないですわ。で、夏海さん?負けは負けですよ。………どういたしますか?」


しゃがみこんでいた夏海に私はそっと近づいた。





ーパーン


「………っ………。」


「ユリって本当に馬鹿なの?」


………夏海の両手には拳銃が………


夏海が着てた青いドレスは胸元がしっかり隠れるようになっていたからそこに隠したんだ。


そこしか隠す場所はない。


迂闊だった……


「ユリ!大丈夫!?」


夏菜が近寄ってきそうなのを葵に合図して止めてもらった。


「………私にはまだ手があるわ。陽菜さんよろしく。」


「………何、する気なの………。」


陽菜は夏海から拳銃を受け取り、私に向かって先を向けた。


……みんなとは距離がある。


これなら大丈夫。


ーパーン


ーパーン


銃声の音が何発も響き渡った。


玉切れになったのか陽菜はピストルを捨てた。


みんなは………よかった無傷みたい。


私しか狙っていなかったからなんとか避けられた。


「………何で避けれたの。あなた化け物?」


「訓練すれば何とでもなるものよ。」


足から血が流れているけど幸い誰にもバレていない。






「夏海、陽菜。あなたたちは役ただずだったわ。」


目の前にいた夏海と陽菜は震えだした………。