「葵?………出てもいい?」


先に俺は支度し終わっていたから部屋にいたが………。


なかなかユリが出てこない。


「早く出てこいよ。」


スーッとドアが開き出てきたユリは………






「チャイナドレス?」


真っ赤なチャイナドレスに身を包んだユリ。


髪は左右に団子型で丸めてある。


「………やっぱり変なのかな………。」


「似合ってるよ、ユリ。おいで?」


少し歩きづらそうにしながらも俺の所に寄ってきて膝に座った。


「で、何でコレにしたんだ?」


「“ドレス”だったらいいんでしょ?私は見学者じゃないしこれならいいかなって。」


出る羽目にはなっているが………


「………男を誘う気か?」


「え?どういうこと?何に誘うの?」


きょとんとした顔になった。


………分かってねぇのなら分からせてやるか。


ユリをくるっと反転させ、向かい合うように座らせた。


ドレスから白すぎる足が丸見えになっている。


俺は足をゆっくりとなぞった。


「ちょっと!何してるの………。」


「顔真っ赤で言われても逆効果だぞ?」


今度は体のライン丸見えになっている腰をなぞる。


「………っ………。葵、変態!」


「誘ってるっていう意味が分かったか?」


「………分かった。分かったからなぞらないで!!」


………顔真っ赤のお前も悪い


俺はユリの顎をつかみ、そのまま口付けた。


「………んっ………」


声を漏らすユリにますます夢中になっていく。





苦しそうな表情になってそっと顔を離した。


「………俺はお前以外いらないから。」


「………うん。約束は守ってね。………守ったらまたご褒美あげるから。」


また寂しそうに笑ったユリに俺は不安ばかりが積もっていった………。






-葵side end-