お嬢様の秘密Ⅱ

「夏海、いい加減にしなさい。」


「何よ偉そうに真理亜?後継者を譲ったあなたにもう価値などないわ。」


真理亜のそばにいた葵に夏海がすり寄った。


………見たくない。


腕に胸を押し付けているところなんて………!


「その顔、いい気味だわ。好きなんでしょ?あなたの分際でよく好意を持ったものだわ。」


葵はあくまで傍観者。


秋本家の問題に巻き込むわけにはいかない。


「ではこうしましょう?あなたは葵様と後継者の座をかけて?」


「夏海さんは………。」


「それを奪いに行くわ。………どんな手を使ってもね。今日の夜7時にセッティングしてもらうから皆さんも準備してね。」


夏海は陽菜と他の取り巻きを連れて出て行った。


クラスにいる生徒も私たちを残して出て行った。


「ごめんなさい………葵。」


「………お前が何があっても口を挟むなと言った理由がよくわかった。俺が挟んだらややこしくなるな。」


………そんな自分を責めるような顔、しないで………


「さっき夏海がくっついているのを見て、夏海が後継者だったらありえるんだって思ったら耐えられなくなった………。」


「ユリ………。」


引き寄せられてギュッと抱きしめられる。