「………夏菜?夏菜は幼馴染っていう守られた関係を壊す覚悟はしていたんでしょ?」


諭すように言えば少し落ち着いた表情を見せてくれた。


「………私は2人の幼馴染として言うけど。………私たちってそんな簡単に崩れる仲だった?」


………ちょっと強めに言ってしまったかな。


「………違う。」


はっきりとした口調になってきた。


「じゃあ大丈夫。何あったら私が助けるから。」


「…………うん。」


少し笑顔が戻ってきたかな。


「ねえユリ?………襲撃のとき…………思い出してしまったんじゃないの?」


…………。


私から表情が抜けていく………そんな感覚だった。


「…………私の勘。あのときもユリが助けてくれた。」






中学校時代、玲央がいなかったときクラスの女の子たちは一斉に私たちをいじめてきた。


別になんとも思わなかったから交わしていたとき、ある事件が起こった。


放課後、何気なく2人で教室に入ったら鍵を閉められた。


中には男子だけで女子は教室の外から中を見ていた。


襲いかかってきた男子に私たちはなす術がなく、体を触られていた。


もう少しでブラウスまで脱がされそうになったとき、助けが来て救われて、恐怖のあまり泣いて泣いて……


でもあまりのショックからか次の日は綺麗に忘れ去られていた。