お風呂に入って、夕食を済ませた私たち。


執事は返したのでとりあえず私がみんなの分のお茶を淹れた。


「葵ってこの部屋を抑えられるからすごいんだね……。」


何気なくそんなことを言うと、3人が私を凝視した。


「………ユリ、家の各列とか勉強してるんだよな?」


玲央が念を押すように聞いてくるけど………


「してるけど多すぎて秋本家に出資してくれている資産家だけ………。何で?」


3人は顔を見合わせてため息をついた。


「ユリらしいといえばユリらしいな。………俺の口から言う。ユリ、俺の苗字は?」


葵の苗字?それは………


「高澤で………え?」


「やっと気づいたか………俺は高澤ホールディングスの跡取りだ。」


………どうして今まで気づかなかったの私………。


「だから真理亜様は形だけでも婚約したかったのね……。」


やっと謎が解けた。


「おい、ちょっと待て、どういうことだ?俺のいない3ヶ月で何があった?」


そうか、玲央には全く言っていなかった………


とりあえず私たちは真理亜様のことやシルバー様のこと、婚約関係の話、学園で戦うと決めた私の作戦を細かく話した。






「………夏海様………どっかで聞いたことあるんだよな。」


「………あの女は裏が見えなくて梶原に調べさせているけど掴めないわ。」


玲央は状況を察してくれたようでよかった。


真理亜様は被害者だっていう私の考えに何となく共感するところもあったみたい。


私って………甘いのかな………