「葵様着きました。」


運転していた吉崎さんが車のドアを開けてくれた。


葵が先に降りて、私と夏菜が車から降りるのを手伝ってくれた。


「このホテルで明日行われるんだが今日は最上階に予約しておいたから。」


………このホテル高級なところだよ………?


ため息が出るのを我慢しているところを夏菜に笑われてしまった。






「やっと着いたか、葵。」


え………この声は………


「玲央………!?」


夏菜は目を見開いて玲央を見ていた。


葵たちは知っていたみたいだね。


………日本に帰って来るなら教えてよ。


「お嬢様、連絡が間に合わず申し訳ありません。」


「………玲央のことよ、驚かすつもりでしょう?いたずら好きは抜けてないんだね。」


でも立ち振る舞いは先に執事をやっていた兄である理央と差がなくなってきた。


「ホテルの部屋は隣同士でコミュニティルームがあるからとりあえず中に入ろうか。」


衝撃が強くて動けずにいる私たちを葵が動かしてくれた。






荷物はもうコミュニティルームに置いてあった。


内装は豪華………


でも裃の寮も内装はすごいから驚きは少なかったかな。


最上階は寝室が2つあってあとは共同スペースとして使える。


泊まる人によっては中を仕切ったりそうじゃなかったりと自在に部屋を作り変えれるようにしてあるらしい。


私たちしかいないからとても気楽に過ごすことができた。