客室に葵と2人っきりになった。


「ユリ………俺が怖くないのか?」


「怖くない……。」


自分から葵に抱きついた。


「怖かった!私、自分が怖かった。……怒りに任せて人を殴っていたから………。」


「もう我慢するな、泣け………。」


「………葵…………。」


やっと安心できた。


葵は本当にすごい。


「………お前囮になったんだろ?どこやられたんだよ。」


「………主筋舐められたし、胸も触られた………。」


「………今すぐ消毒していいか?」


怒った葵は怖い………。


「私、お姉様の部屋に忘れものしちゃったの。取りに行っていい?」


これは本当。


散歩するときに持っていた財布を忘れてしまったの。


「………お前はお楽しみを邪魔する気か?」


………お楽しみ?


「まさか意味分かっていないのか?」


本当に分からないんだけど。


「これ連れて行ったほうが現実分かるかもな………。」


渋々ながら真理亜様の部屋に連れて行ってくれた。




ーコンコン


「失礼しま………。」


…………お楽しみってこういうことだったのか。


私は理央が真理亜様をソファーに押し倒しているところを見てしまった。


「………ユリ様。空気を呼んでください。」


真理亜様は顔を真っ赤にしてるし呼吸も乱れている。


体はうまく理央が隠していた。


「………そこの財布投げて。」


「はい。………これで帰ってくださいね。」


すぐに扉を閉じてはあっと一息吐いた。


そして離れたところで待っていた葵をつかんですぐに客室に戻った。