「………あ、起きなさいましたか?お加減は?」


………ここは私の部屋?


「いつ戻ってきたの?」


「1時間ほど前ですよ。今は夜の9時です。」


「そう………。」


あのお祖父様の言葉は何だったんだろう……


後継者は私がなる、そういうことじゃないの?


「………理央様。」


「何でございましょうか?」


急に不安に煽られて理央様の袖を引っ張る。


「………しょうがないですね。」


何がしてほしいのか分かったんだろうか。


ベッドに座って、私の脇に腕を入れて引き寄せる。


「幼児返りしてどうするんですか………。」


「そんな反抗期私には一切縛り付けられて来なかったわ。」


「じゃあ私に反抗なさいますか?」


「何を……んん!………り…お……さま……。」


唇同士で塞ぎ、私に理央様しか見えないようにさせる。


少し唇を離せば、銀糸が繋がっているのを見て恥ずかしくなった。


「これでも私には反抗出来ますか?」


「無理ね………。大人しく従うわ。」


「ではご遠慮なく。」


今度はディープキスで、舌を絡ませ合う。


あまりに夢中になっていたせいで自分の状態を確認できていなかった。


「………何で、服着てないの………。」


呼吸を整えながら涙目で理央様を睨む。


「全て脱がせて床に落としました。」


理央様も脱いで、私を抱き、一緒にベッドに倒れた。


「………私の過去を忘れさせてくれない?」


「かしこまりました。」


今宵も甘い夜になった。