理央様に散々抱かれもう腰が痛くて動けなかった。


私は車椅子移動で本当によかったわ………。


今日は秋本家の本社ビルへ、お祖父様に会いに行く。


「お連れいたしました。」


部屋の前にいる執事たちに扉を開けてもらった。


「おお、久しぶりだな。よく来た。」


「お久しぶりですわ、お祖父様。」


立ち上がろうとしたが、お祖父様に止められた。


「そのままで良い。……理央、下がりなさい。」


「かしこまりました。」


広い部屋に私とお祖父様の2人になった。


「ジャックの定期検診の結果をよく聞いておる。最近は安定しているのか?」


「ええ。理央様をお祖父様がつけてくださった頃からですわ。」


「………そうか。」


私の頭に手を伸ばし、そっと撫でた。


「大きくなったな………。親の争いごとに巻き込んですまぬ。」


………。


お祖父様の悲しい目は見ていられなかった。


「真理亜。………お前理央に抱いてもらったのか?」


「………!?」


なんで、わかったの………


「執事とお嬢様の恋愛が禁止されているのは知っているんだろう?………依存するなら変えるぞ。」


「イヤよ!………やめて!!」


思わずお祖父様の服の袖を掴んでしまった。


「一つ言っておこうか。お前は母親に縛り付けられている。………後継者になれとな。」


袖を掴んだままビクッと震える。


「………後継者を決めるのは私だが、お前は母親に縛られ続けていいのか?」


お母様に………


今まで疑わずに後継者になると決めていた心がガラガラと音を立てて崩れていく気がした。


「………縛られたくない。………お母様に愛されるように頑張ったのに………報われないの………。」


「………良く考えてくれないか?」


もう何も考えられない。


お祖父様に抱きついたまま、意識を失ってしまった。