「やけに素直なんだな。」


「たまにはいいじゃない……。」


葵はやっぱり私を安心感で包んでくれる。


「ねえ………葵?葵は継ぐんだよね?」


「ああ………それしか考えたことなかったし、俺は1人っ子だからな。」


「………私も葵を手伝いたい………。」


葵とずっと一緒にいるには………。


この決定が一番いいはず………。


お祖父様のお墨付きなら誰も文句は言えない………絶対に言わせない。


「俺を手伝う………?どういうことだ……?」


ふう………


私は一息息を吐いた。


「秋本家の後継者候補として学園に通う。」


「………いいのか?お前はあの学園を嫌がってたんじゃなかったのか?」


最初はそうだった。


私には関係のない授業が必修で………。


「いいの。私はあの学校に通う意味を見つけたから。………葵と一緒にいるためよ。」


「山岸家は大丈夫なのか?ユリに継いでもらいたい気持ちもわからなくはないぞ。

莉依紗様の双子のお兄様の子供は武術に秀でているわけではない上に、2人とも会社の方を手伝うんだろ?」


そう。


これの話も実はお祖父様から聞いていた。


いとこにあたる2人はとても賢いから会社の方を手伝わせるそう。


だから莉依紗様の子供かお母さんの子供が警察官僚に就いてほしいと言っているそうだ。