「ユリの様子は話に聞かせてもらっていた。………これが証拠だ。」


そう言ってデスクの引き出しから抜いたのは………写真入り年賀状。


「わしはな……。ユリに継いでほしいのだ………この会社を。」


「…………私がですか!?」


「今ようやく会うことが出来て見定めて見た。肩書きだけでなく人の内面をしっかり見ることはとても大事なこと。

孫たちの中で一番ふさわしいと思っておる。」


「でも………真理亜は?高澤家と婚約するんでしょう?」


「婚約は許可したが真理亜だとは言っておらん。それにあれは噂にすぎん。

………真理亜は確かに後継者にふさわしい人に育ったが、あいつの最近の行動は犯罪の域に達している。

あれは権力乱用…………。最初は候補にしていたが今はそんな風には見ていない。」


そんな………。


理由は分かるけど………。


「急に決心しろとは言わないが………。高澤君のためを思うのなら秋本家の後継者はいい武器にはなるぞ。」


私はそれを言われてハッとした。


「まあ高澤君ならそんなことは考えず、周囲を納得させることなどたやすいだろうがな。」


そんな迷惑はかけたくない。


でも一緒にいたい………。


そんな私の気持ちはお祖父様にお見通しなのだろうか。


「ユリ。時間を与えよう。決断にまごつくのは命取りだ。3日間のうちに決めてほしい。

秋本家の後継者候補として名乗りをあげる。山岸家の直系として警察官となる。

あとは………裃学園の学園長となる。」


が、学園長………?