部屋に戻り、荷物を積め始めた。


「お嬢様………。私がやりますので。」


「いいわよ、理央。大方はあなたがやってくれたじゃない。残りは私がやるから。これぐらい自分で出来るって。」


「しかし………失礼いたしました。」


人にやってもらうのを当たり前にしちゃいけないよね。


やっぱりお嬢様とかは住む世界が違うんだよ。


「ユリ!」


扉が急に開いて……。


………葵?


「理央兄、席を外してれ。10分したら国松さんのリムジンの前に行くから。」


「分かった。国松さんにもそう言っておく。」


理央は私に一礼して部屋を出ていった。


「ユリ、なんで学園を出るとか言うんだ!?」


「私は御曹司様や、お嬢様たちとは住む世界が違ったの、最初から。」


「ユリ……。」


「私は家を継ぐ資格は無くされてるの!


ここに留まる意味は初めから無かったの!!」


「俺は……俺は。


お前がいるからここにいるんだ。」


「葵……。」


葵の澄んだ目を見ていると嘘じゃないのは伝わった。


でも……。


「私は葵と肩を並べられない。


葵の出身は知らないけど、私とは大違いだと思うの。


私と一緒にいたら迷惑かけてしまう。」


「俺はそんなこと………。」


「お願い。1人にさせて。」


「分かったよ。」


ーバタン


肩の力が一気に抜けて私は暫く泣き続けた。