「お久しぶりね!大樹君。………あら莉依紗眠そうね。」


「ええ………。」


料亭についた私たちをそれぞれの親が迎えてくれた。


「ここで立ち話するには目立つから中に入りなさい。」


大樹のお父様の一言で私たちは中に入り、奥の部屋に案内された。





「久しぶりの日本はどう?」


「ええ………なかなか楽しく過ごしていますよ。」


お母さんが大樹と仲良く話しているの………妬けちゃう。


一応山岸家と秋本家が対面する形で座っている。


………両家の親交を深めるものらしい………。


「コホン………。急ですが、本日は私と莉依紗から話があります。」


いよいよか………


「りい、こっちにおいで。」


………親から見えない位置で脚を触らないで!


私のお父さんが眉にしわを寄せている。


「君たち………。何の話をする気だ!」


「私、秋本大樹と莉依紗さんの婚約を認めていただきたいのです。娘さんを私にください。」


これ1度言われてみたかったの………!


「ぜひ………「やらん!」


え………?


「ちょっと辰彦!何を言い出すの………。」


「簡単に娘はやらんからな!」


「いつかは嫁に出すのよ…………。」


………お父さん、言ってみたかったセリフでしょ。


「この人のことは気にしないで。我が家は認めます。」


「ああ。秋本家も正式に認めるとしよう。奈々子が心を許していた彼女なら安心だからな。」


「親父………。」


「年明け後、会見発表をするとしよう。竜也、準備に取り掛かれ。」


「はい。かしこまりました。」


反対されなくてよかった………。


お母様のおかげね。


「うぅ………娘が………。」


「あら、じゃあ私のことはどうでもいいのね?」


「そんなわけないじゃないか、雪穂。お前が一番だ。」


「じゃあ莉依紗を嫁に出せるわね。」


「……………分かった、認める。」


………お母さん最強。


「そういえば莉依紗さん………いや莉依紗。」


「はい、なんでしょうか………お父様?」


大樹のお父さんにお父様っていうの緊張する………


「前に会った時よりさらに磨きがかかったが最近何があったのだね?」


「ああ………それなら親父、昨日莉依紗をいただいたから。」


「そういうことか……だから眠そうだったんだな。」


「若いのっていいわね……。莉依紗も頑張ってね。」


大樹………親の前でなんてことを!!


ほらお父さんが………


「ごめんなさいね。これから私たちは仕事があるから先に2人は帰ってて。」


「分かりました。」


それからは私たちは学校の許可をもらい、2人で生活する部屋をもらった。


カップル用の部屋………


大樹が喜んでいたのは言うまでもない。