本心から言っているようには思えなかった。


何か………隠している気がする。


大樹も私もお義父様の考えていることはわからない。





「そのような理由でしたか....。」


「でも周りから逃げているような子には育って欲しくはない。莉依紗、対処せよ。」


「かしこまりました。」


本当は普通の高校に通わせてあげたかったけど....。


やっぱりそういうわけにもいかないのね。


「莉依紗、わしだって本当は普通に暮らさせたかったのだ。


だがこうして後継者争いに加わらせようとしたのは、真理亜がユリに遠まわしにいじめているではないか。


そのような奴に堂々と後継者を名のられるのをどう思う?


だからわしはユリに戦わせることにしたのだ。


わかってくれ.....莉依紗。」


ブチンと中継が切れた。


お義父様がそのようなことをお思いになっていたなんて....。





「奥様。紅茶お入れしました。これを飲んで落ち着かれなさいませ。」


「ありがとう....。」


ハーブティーを入れてくれたんだ....。


ちょっと気分が良くなってきたかも。


「竜也、いる?」


ここは桜井家に任せた方がいいわ。


「お久しぶりでございます。ご用件は?」


「国松はしばらく学園長の代理をやって。」


「お、奥様!?」


今学園を開けるのは危険だけど....。


「私はしばらく沙那の家や竜也の家に泊まらせていただくわ。」


「奥様....。また勝手に....。突然言われてたらさすがの竜也でも困るでしょ!?」


国松がものすごく呆れ顔になっている。


「畏まりました。準備はいつでも整っておりますのでまたご一報ください。では失礼します。」


竜也って忍者みたいよね。


「というわけでよろしくね!国松。」


「奥様...。そのような笑顔で....目的はしっかり認識してくださいよ!」


「わかってますよ。」


大きいため息をついている国松には申し訳ないけど、私の仕事として....許して。


ちゃんとユリに私のことを理解してもらえるように頑張るから....。


-莉依紗side end-