寂しいなんて言わない




「由湖、抱きしめていー?」



あたしの横に来た相澤くんが


かがんで、あたしより目線が下になる。



嬉しそうに言うから断れるわけなくて



「………うん」



小声でそう答えたら、


腕を引かれてイスから体が離れた。



その瞬間にあたしの体は


相澤くんの腕の中にすっぽりとおさまった。