顔から火が出る、とはまさにこのことだ。

 知美が瑛太を連れ戻そうとしたところで、MRIの順番が回ってきた。

「瑛太、行くわよ」

 瑛太をMRI室へ連れて行く間、皆の視線が痛かった。

「オバサン、どこ行くの~」

「MRI室!てゆーか、オバサンじゃないってば!」

 怒鳴ってから、慌てて心の中で、「怒鳴らない怒鳴らない」と繰り返した。

 服を着替えて、瑛太のMRI検査が始まった。

 外からではわからないが、瑛太はどんな顔をしているのだろうか…。なんだか不安になる知美であった。