「赤ずきんちゃんも、狼に食べられてしまいました」

 直子は瑛太を睨んだ。

 瑛太は直子の視線に気づかず、笑い転げている。

「ぎゃははは!赤ずきんちゃんも狼に食べられた!?親子そろって食われてるんじゃん!」

 童話でこんな笑い転げている所を突っ込む前に、もう一か所訂正すべき場所はあった。

 親子ではない。

 赤ずきんちゃんは、孫なのだから。

「お兄ちゃん、親子じゃないと思う」

「血は争えないな!」

 何故記憶喪失のくせにこの言葉を知っているかは謎だ。

 ……

 瑛太に赤ずきんちゃんを読み聞かせるとどうなるか。

 答えはこうなる。

 END