コンビニに入ると、店内は静かだった。

 兄がおとなしく静かだなと思いながら兄を探すが、店内にいるのは中年のサラリーマン二人と店員二人だけだった。

 おかしいな、そう思いながらコンビニを出た直子は家に戻った。

「お母さん、お兄ちゃん戻ってきたー?」

 知美がリビングから出てきて首を振った。

「まだだけど…瑛太、いなかったの?」

 直子は頷いた。

 知美は眉間に皺をよせ、

「おかしいわね」

 と言った。

「私、渋谷の方とか見てくる」

 直子はまた外へ飛び出した。