男嫌いな演技上手

走った。無我夢中に。


もう少し。もう少しで病院だ。


沙恵……


階段をかけ上がって屋上にいく。


バンッ



「さえっ!!」


「美樹菜…私……もう誰も信じられない」


「沙恵……信じなくていいよ。だけど聞いて。信じなくていい。聞いて…」


誤解を解こうなんて私は考えない。


私が悪い。


私が元々の原因だ。


だけど。


それでも。



「私、雅英のこと好きじゃない。沙恵のがずっと好き。あの日は雅英のこと殴りにいったの…でも、そのとき、また告白されて…断ったら押し倒されて…そしたら、沙恵がいて。


これが真実。信じなくても良い…私が元々悪いから。でも……」


《このまま終わりなくないんだ》



「美樹菜…ごめん。私の勘違いか…でも、もう私生きていく自信無いなぁ…」



「沙恵!私は沙恵が好き!大好き!誰よりも好き!だから……戻ってきてよ…雅英は私が殴る!だから……沙恵……笑ってよ」



「美樹菜…」



ブワッ



強い風が吹いた



「え?」


「さえっ!!!!!!!」



「キャーーーーー」


時間が止まった見たいで。


信じたくない現実が目の前にあって…











沙恵が落ちていった