男嫌いな演技上手

「っう・・・。ごめん・・・。でも本当の姿を見せたら水城は私を嫌うと思うから」


自然と私の瞳からも涙がでていた・・・


水城とは違う・・・まるで黒い魂が入ったような欲望の塊の涙。


水城に・・・嫌われたくないから・・・


「ごめんね・・・っ」





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「ただいま・・・」


「おぉー!!おかっえりー!!」


「っえ?!明菜(アキナ)ちゃん?!な、なんでいるの?!」


明菜ちゃんは私のお姉ちゃん。東大にいってて、東京で1人暮らし・・・のはず。


「美希奈に会いたくて帰ってきちゃったっ!!エヘッ」

「えぇー?!大学は?!」

「休みだよーん」

だよーんって・・・


「それより、まだ演技癖なおらないの・・・?」

「うん・・・」

明菜ちゃんは私の唯一の理解者。演技してることもすべて知ってる。


「いい加減やめたらどうなの?」

「いきなりやめたら・・・」

「そっかぁ・・・。あ。先生とかにはいい子ぶってるのよ。絶対。そうしないと美希奈が東大これなくなっちゃう!!いい?一緒に住むんだからねッ!!」

結局それね・・・

超悪知恵じゃん・・・(笑)

「うん。わかってるって・・・」

「気楽なもんよぉー」

「え?」