紙を開いた。

「Dear 結凛

Happy Birthday!!13歳のお誕生日おめでとう。
一日遅れでごめん
あれから一ヶ月が経ったけど、
この前は逃げてごめん、合わす顔がなくて…
「振った」とか「別れた」って言ったのは理由があるんだ。
別に嫌いになった。とかじゃない。寧ろ今でも好き
もしもチャンスがあるならこの手紙を俺の靴に入れといて
ないなら捨ててもいいから…

From 井上 修平」

正直カチン、ときた。
何でもうちょっと早く言ってくれなかったのだろうか?
馬鹿馬鹿馬鹿!!本当に馬鹿!!!!!
桜に見せた。「こんなの捨てちゃいな」と言って外に出て行った。

わざと「天罰!!」なんて言ってポケットに手紙を突っ込んだ。
もう知らない!!それしか思えない。

でも正直迷った。
4年間も好きだったんだから、そう簡単に捨ててはいけない。
決めた、雄太と横山に聞こう!


体育が終わったあとに紙を見せた。
横山は何も言ってくれなかったけど、雄太は「捨てろ!!」って言った。
思い切って捨ててみた。

…なんて嘘。
家に保管しているよ。

そう簡単に捨てれるはずがない。

「馬鹿だなー…アタシ」

友達から貰った手紙は全てとってある。
机の引き出しがパンパンになる位、今ではもうたまっている。

「うっ…うぅぅぅ~」

布団に潜り込んで泣いた。
大好きだった、飽きっぽいアタシが4年間も。
本当に本当に本当に。大好きだった。

次の日アタシは桜に初めて隠し事をした。

「付き合えないけど、すっごい好きでした」

と書いた紙を井上の靴に突っ込んだ。
これぐらい、いい。


でも、次が最後の恋になりますように…