俺が岡を好きになったわけは、

ささいなことだった。


中1のとき…

ある日、廊下を歩いていると

可愛い子が前から歩いてきた。

その子を通り過ぎると、

「あ、あの!」

その子が話し掛けてきた。

「ん?なに?」

俺は無愛想に答えた。

「…これ、落としましたよ?」

と、微笑みながら俺のハンカチを拾ってくれた。

「あ、どうも!」

なぜだか嬉しくて、

大きな声でお礼を言うと

少しビックリしたあと、

「どういたしまして!」 

と、元気よく、そして満面の笑みで言ってくれた。

その瞬間

俺は恋に落ちた。