キミが教えてくれた

「あ、目覚めましたか?」
なんて敬語で喋ってきたのは、朔だった

その言葉は少し冷めていた


きっと、朔も怒ってるんだ

あたしはそう確信した


「ど…どうして?」

あたしは少しおびえた声で聞いた


「あそこは混浴なんです。俺が入ろうとしたら、君がいたから…」

いつもは"京香"って呼んでくれるのに…

冷めた、敬語で喋られる度にあたしは泣きそうになる。



"混浴"なんて言葉より
あたしに敬語で喋ってくるのが嫌だった


あたしが勝手に怒ったから
あたしが悪いんだ…


いつの間にかあたしは自分を責め始める