私達は、真二に真実を認めさせ、
美幸への謝罪を求めに、
拓也の車に乗りこんだ。
前男二人、後女二人と
奇妙な立ち位置で、話が始まった。
お互いの顔を見ないので、
一層、真二は強気に怒鳴ってきた。

「なぁ!!
 俺が盗撮したとか、無い事ぬかしてんなや!!」

どこからそんな大嘘が出てくるのか。
私の怒りは、一気に昇りつめた。

「こっち情報入ってきてんねん!
 はょ美幸に謝れや!」

車内は一気に修羅場化した。
曲がった奴は、嫌いだし、
美幸を傷ついた罪は重い。
普段は、こんな荒々しく喋らない。
それ程、私は怒り狂っていた。
私は事実を聞いている。
口喧嘩に勝てる自信はあった。

「美幸に嘘ばっかっいて、
 ぉ前 何がしたぃねん!!!
 遠まわしに話作ってんと
 本間ん事 言ったれゃぁ!!!」

これはちょっと美幸には不味かったか…
でも、美幸はすすり泣き、
私と真二の話は聞こえてないみたいだった。
美幸は気が弱い。
人が大声出し合ってるなんて、
相当辛かっただろう。
美幸は、呼吸が乱れてきていた。