「ぁんなぁ…」
話にくように、彼女が口を開いた。
「うなには言ってなかってんけど、
うちあれから真二と何回か遊んでんやん…」
彼女のトーンは低く、
決して楽しい惚気話が続きそうではない。
何回か遊ぶ内、彼女は真二が好きになったという。
自然の流れで体の付き合いもあったし、
楽しい時間を過ごしていたらしい。
じゃぁ、何故、美幸の話方は、重苦しいのか。
「最近連絡取れへんねん…
携帯拒否られてるっぽくて…」
「ぇ!?」
拓也の話と美幸の現在が繫がりつつある。
でもまだ、隙間が空いている。
「彼氏となんか、あったん?」
「ぅぅん…。 ぅち好きって伝ぇてんけど、
彼女にはしてもらぇんくて…。
会ってはくれるんゃけど、
セフレ状態で…
でもぅちそれでも好きゃったし!
それでも一緒にぉれたら良ぃって思ってたし…
今、連絡取れんくなって…」
今にも泣きそうな、彼女に盗撮の事実を話すべきか。
こんなに落ちてる彼女に、
追い討ちをかけてもいいのか。
次第に真二への怒りを感じた。
話を聞いた時は、
美幸が心配で、
それしか頭になくて。
よく考えてみれば、
悪いのは真二だ。
真二の卑劣な行為が、こんなにも美幸を苦しめている。
連絡と途絶えさせた上に、
盗撮して、ばら撒いてるなんて。
許せない…。

