驚いて顔をまじまじと見ると

彼の顔中体中には

ちいさな棘の抜きあとがある。


「あなたの棘は、なぜなくなったの?」


「そうしたいと思ったから」


「辛くはなかった?痛くはなかった?」


「…この世で一番痛かった」


にこりと笑って彼は続けた。