「…」

瞬は、何も言わずに乾いた涙の跡を指で撫でた。


「な…なに…?」

突然の事に少し頬を赤く染める


「…涙、止まったみたいだな?」


「ぇ…ぁ…ぅん…」

視線を逸らしながら小さく頷いた。


「ならよかった。

…じゃあ帰…「瞬兄ちゃんっ、お茶とお菓子持ってきたよー♪」」


瞬の話を遮ったのはもちろんのこと瑠衣だった。

「でも、帰…「なんの話してたのー?」」


首を傾げながらまたもや話を遮った瑠衣だった。



「…もういいや」


帰ることを諦めた瞬に、私は小さく笑いを吹き出した。