「そんなん知ってるけど?」


知ってて家にはいるんですか?


「あ、姉貴お帰り!
瞬兄ちゃんもお帰りー!」


聴こうとしたその言葉は弟の言葉によって言えなかった。


「あぁ、ただいま、瑠衣(ルイ)。」


…『来栖 瑠衣(クルス ルイ)』、私の二つ下…つまり中二になりたての弟。


「瑠衣、本当の兄みたいに振る舞うの止めてくれる?」

「なんで?兄ちゃん家隣だしいいじゃん!」


膨れっ面で見てくる瑠衣。


もうどうでもいいや、と瑠衣から視線を外し背を向けた。