雑談をしながら帰りの電車を待つ。 その時だった。 「きゃー!」 女の人の悲鳴と子どもの泣き声が響く。 小さい男の子が線路に落ちたようだ。 俺は何故か冷静だった。 子どもから目を離す母親が悪い。そんな母親と子どもであるあの子は気の毒だと。 他人事のように(実際他人事だが)そんなことをぼんやりと考えていた。