「…なあサワ、サワは俺が嫌いなん?なんで遠くに行こうとするん?」

サワの手を握る。

「なんの反応が返ってこんでも、サワが生きてるってだけで俺は頑張ってきたんよ。いつかサワが目覚めるかもって希望があるから、俺は生きてられるんよ。やのにさ、死んでしもたらもう、何もできんやん。これ以上遠く行かんでよ…」

何の反応もない。

「俺、鹿島みたいに天才やないからサワの表情の変化に何も気づけん。サワが何考えとるんか全くわからん。教えてや。サワが今何考えとるんか。俺にも分かるように笑ってや…」

くっそ。なんで鹿島には分かって俺にはわからんの。

もどかしかった。