「みんなサワサワって…どうしてサワばっかりなのよ!姉さんも!ちっとも私のことみてくれない!サワは加害者で私は被害者なのよ!?なんで私の心配じゃなくてサワばっかり心配されるのよ!あなただって被害者でしょ!サワに傷つけられて、なんでそれでも友達やってるのよ!」

「サワは優しいんだよ。確かにサワにはたくさん傷つけられたかもしれないけど、それ以上に俺を救ってくれた。あんただってわかってるだろうが。今日俺が来なかったら、サワはあんたに一生尽くしてたと思うぞ。体がどれだけボロボロになっても、あんたと一緒にいた。」

「当たり前じゃない。サワは罪悪感から逃れるために人に親切にしてるのよ。人のためなんかじゃない。自分のために。」

「お前なあ!」

母親はため息をついた。

「あなた、見た目はイマオカさんそっくりだけど、中身は全然ね。イマオカさんは私だけを見てくれて、私のすべてを受け入れてくれたわ。」

聞きたくない。

「もういいわ。サワを連れて行きたいなら好きにして。」

「え、」

思ったより交渉が早く終わったことに驚いている。

「その代わり、私の最後のお願い、聞いてよね?」

母親はサワの方を見てニッコリ笑った。