「イマオカさん…?」

「へ?」

思わず変な声が出てしまった。

こいつ俺のこと知らないはずだろ。

「イマオカさんの息子さんね!目がそっくり!」

父さんに似てるとは言われたことがあるが、名乗ってもないのに、何年も前の記憶だけで言い当てるとは。こいつの執念にぞっとした。

さらに、

「あらあ、男前に育ったわね。」

態度が一変した。さっきまで冷たい目でこちらを見ていたのに、女の目になっていた。怖い。

「本当だったらあなたが私の息子になるはずだったのにね。そうだ。サワ、姉さんのところに帰っていいわよ。代わりにこの子がここで暮らしてくれるなら。」

「はあ!?」

サワを見ると呆然としていた。何も言葉が出ないようだ。

「お前ふざけんなよ!俺はお前と一緒に暮らすなんかごめんだし、サワを連れ戻すためにここに来たんだ!つーか!言っていいことと悪いことくらい判断しろよ!いい大人が!」