「お前母さんと離れた方がいいよ。これ以上母さんとおったらダメになる。」
「でも僕は母さんが幸せなら…」
「お前はどうしてそうやって人のことばかり考えてんだよ!自分のために生きろよ!自分の幸せ考えろよ!」
「…」
サワは唇を噛んで俯いた。
「ユウは意地悪だね。」
「え?」
「…しんどい。」
「サワ?」
「ほんとはバイトより学校優先したいし、バイト頑張ってもそのお金は母さんの彼氏に行ってしまうし、ユウと毎日でも電話したいし、お腹減るし、眠たいし、力出ないし。」
「…」
「頑張れてたのに。今まで愚痴も言わず頑張ってたのに。ユウに会ったらいろいろこぼれて来ちゃった…」
サワは袖を目にあてた。
「もうしんどいよユウ。」
見たことのないサワの顔。目が笑っていなかった。