PM9:30

「井上帰ってこねえなあ。」

「…おん。」

会話も途切れてきて、お互いにケータイをいじっている。

「そんなにバイト忙しいんかな。」

「へ?バイト?」

「サワバイトしおるんやって。何個か掛け持ちで。」

「…うちの学校バイト禁止だぜ。」

「え、」

「まあ何人かはそんな校則破ってるけどな。でもまさか井上がバイトしてるとはなあ。」

驚きはしたものの、さほど興味なさそうにケータイをポチポチ触っている。