「前にユウ言ってたよね。どうして僕が自分を犠牲にしてまで人を助けるのかって。立派なことなんかじゃないよ。ただの罪滅ぼしなんだから。誰かに親切にしても人を殺した罪は消えないのに、どこかで許してもらえると思ってる自分がいる。卑怯な人間なんよ僕。」
「そんな気持ちだけでできるような優しさじゃない。卑怯な人間は命をかけて誰かを助けることなんてできん。」
「…もう、なんなんよユウは。」
サワは眉をハの字にして笑った。
「そんなん言われたら僕うれしいやん。」
「ええやん。嬉しがってや。」
「嬉しいけど…もう…」
「なあサワ。転校せんとって。」
「…。」
「サワにそばにおってほしい。サワがおらんと俺笑えん。」
俯くサワの表情は読み取れなかった。