「お母さん?」 「彼方くん」 「…はい?」 あたしのことは無視して 彼方に話しかけるお母さん。 珍しく彼方も緊張した面持ち。 「40日間茉李遊の家庭教師ありがとう」 「いえ、」 「でも、もう今日で期間は終ったのだから、これからは……」 そこで、一旦言葉を止める。