「なんだ」 「……出ていく前に一言言っておこうと思って」 「は?」 静まった部屋に響く璃桜の小さな声 「何を言っている?」 幹部たちが固まるなか眉間にしわをよせながら土方が尋ねた 「だから、此処を、でていく」 「何で?」 「江戸に帰る」 「帰る?」 璃桜はそれだけを言うと立ち上がり部屋を出ていった 後ろから璃桜を呼ぶ声がしたような気がしたが璃桜は自室に戻るとまとめた荷物を抱えて屯所を飛び出した